市場と市場をつなぐ。
こんばんは、高木です。
以前、競馬情報会社のコンサルをした事があります。
その会社は、競馬で勝つための商品を販売している会社でした。
競馬に馴染みのない人にはよくわからない世界だと思いますが、
そういう会社は意外とたくさんあって、従業員数人レベルの小さな会社も含めれば全国に数千社はあるそうです。
で、詐欺的な会社が多い、闇の深い業種だったりします。
もちろん僕がコンサルしたのは、
マジメにやっている会社でした。
当時その会社は、数年に渡って売上が徐々に落ちてきており、
人員削減を敢行するなど、厳しい経営状態に直面していました。
競馬情報というとなかなかイメージがつかないかもしれませんが、
「競馬で勝つために必要な知識」的なノウハウだったり、
「このレースのこの馬券を買ってください」
という情報を販売している会社が多いそうです。
ただプロが出している情報とは言っても、
所詮ギャンブルですから的中する事はそう多くなくて、
また的中してもそれほど大きな利益を出す事はできず、
なかなかお客さんの期待に沿うのは難しいそうです。
そこに呼ばれてコンサルに入ったんですが、聞いてみると、その会社の商品は、
「1ヶ月で●●万円儲かる!」
といった感じの、ゴリゴリ儲かりますよ感満載の売り方をしていました。
調べてみると、その方法で過去に利益が出ている事は確かなんですが、
その方法が永続的に続くかと言うと、そういうわけではないようです。
結果、なかなか顧客満足度が上がらず、
リピーターはかなり少ないとの事でした。
一応ウソはついておらず、詐欺をしている会社ではなかったので、
お手伝いさせてもらう事にしました。
そこでまず最初に提案したのは、「競馬=お金稼ぎという考えから離れましょう」
というものでした。
競馬っていうと、的中して利益を得るという、
ギャンブルとしての要素だけに目が行きがちです。
確かにギャンブルとして、
お金を稼ぎたいからという理由で競馬をやっている人は多いと思います。
だけど、それとは違った形で、
競馬をやっている人もいるはずだと思い、
そういう提案をしました。
競馬ってギャンブル以外の要素として、
予想を組み立てるというゲーム性だったり、
カップルが競馬場をデートに使うなどの娯楽性もあります。
ゲーム性であれば、
予想を組み立てるためのシステムやツールも販売できます。
競馬って、過去のデータから予想を組み立てるんですね。
馬や特徴や騎手との相性、
馬によっても開催場ごとに得意不得意があったりして、
そういったデータを一括でまとめて検索できるツールは、
一定の需要があります。
で、これを、
現時点で競馬に興味がある人だけじゃなく、
今はまだ競馬に興味がない人に向けて売る、
という考え方をしました。
競馬をやっている人なら、
そういったツールの存在は知っているし、
目新しさはないでしょう。
だけど、
まだ競馬をやった事がない人の中にも、
競馬が持つゲーム性を楽しいと感じる人はいるはずです。
例えばシミュレーションゲームやストラテジーゲームなんかは、
戦略や戦術を練って勝利を目指す、という点において、競馬とよく似ています。
シミュレーションゲームが好きな人の中には、
お金が稼げるというギャンブル要素ではない、
競馬予想というゲーム性にハマる人がいるはず!
そう考え、僕はその打ち出し方を提案しました。
具体的には、
1、シミュレーションゲームの既存サイトに広告を出す。
2、シミュレーションゲームの口コミサイトを作成し、
そこで集まったアクセスを競馬サイトに誘導する。
最初はこの2つの経路から集客し、そこからメールマーケティングを行い、
それを仕組み化する事で、月80万ほどの安定売上を作れるようになりました。
その競馬ツール自体はそれほど難しいものではなく、
他社も同レベルか、あるいはもっとレベルの高い商品を持っています。
にも関わらず、
そのツールは今もめちゃくちゃ売れています。
ここでのポイントとしては、その時点で競馬に興味がある人ではなく、
元々は競馬に興味をなかった人を、「戦略ゲーム」という共通点を見つけ、
そこから集客する流れを作ったという事です。
競馬に興味がある人に、競馬の商品を売るのは簡単ですが、
そこには同業のライバルがひしめき合っており、
過当競争になるのは最初からわかっています。
そこで無理な競争を繰り広げるより、
ライバルが目を付けていないところから集客する視点を持てば、
よくある商品であっても独占的な市場を作る事ができます。
ここで大切なのが、
異なる2つ以上の市場の共通点を見つけ、
それぞれの市場を“つなぐ”という事です。
いつも同じ市場にいていつも同じビジネスをしていると、
だんだんと視野も狭くなって、
他の市場に目を向ける機会がなくなってしまいます。
でも、これからのビジネスは特に、市場と市場を“つなぐ”事が大切で、
これができるようになれば自分のビジネスもどんどん広がっていきます。
一見関係ないと思われる市場でも、
探してみると必ずと言っていいほど共通点はあるものです。
会社員の人なんかでも、その視点で自分のいる市場と他の市場を比べてみると、
必ずビジネスチャンスが見つかると思います。
ぜひ意識してみてください!
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