仕事や家事に追われ、「自分の時間がない」と悩む人に、自分の時間を確保できるようになる方法を伝えます。

苦手の克服なんてしなくていい。

こんばんは、高木です。

苦手克服なんてしている暇があったら、
自分の得意分野を伸ばす方に注力した方が何倍も成功確率は上がります。

というか、苦手の克服なんて、人生においてほとんど意味を為しません。

平均的な普通の人間に、大した市場価値はないんだから。

という話をする上で、サヴァン症候群の話をしたいと思います。

サヴァン症候群って聞いた事ありますか?

サヴァン症候群というのは、知的障害や発達障害などのある人のうち、
ある特定の分野に限って優れた能力を発揮する人の症状を指します。

ある才能に結び付いた脳内神経システムと、他の脳内神経システムの間で競争が起き、
ある才能が伸びると他の脳内神経システムがあまり発達しない、という仕組みだそうです。

有名な例として「ナディア・ケース」というものがあります。

ナディアというイギリス人の少女は、3歳頃から天才的な絵画の能力を発揮し始め、
5歳の時、遠近画法を取り入れた独特な絵をいくつも生み出したそうです。

その一方で彼女は絵画系以外の脳機能が低く、言語に発達障害があり、
8歳頃までまったく話せず、心配した両親が彼女に言語習得の教育を受けさせたところ、
言語能力を獲得するにつれ、彼女の絵画の才能が失われていったというのです。

これは、言語の学習によって言語を司る左脳が発達し、
右脳の天才的な絵画的才能を失ったと見られています。

これは極端な例かもしれませんが、僕たちはここから学ぶべき事があります。

サヴァン症候群ほど極端じゃなくても、
苦手の克服に貴重な時間や労力を割いているばかりに、
秀でた部分を伸ばし切れていない人はたくさんいるんじゃないかと僕は思うんです。

そしてその多くは、「人というのはかくあるべき」という、
社会からの同調圧力によるものなんじゃないでしょうか。

「規則正しい毎日を送るべき」
「子供は学校に通うべき」
「大人は社会に出て働くべき」
「男は稼ぐべき」
「車の運転くらいできるべき」

よく聞く「人としてどうなの?」というフレーズは、社会からの同調圧力の象徴です。

会社なんか良い例ですよね。

僕が以前働いていた会社に、セールスの文章を書くのが上手くて、
高額の商品をぼんぼん売り上げている人がいました。

会話すると微妙なんですけどね。

文章はかなり上手でした。

ただその人は時間や期限にルーズだったり、
報告や連絡、相談をほとんどしなかったりで、
そこを上司に何度も注意されていました。

最初は注意を聞き入れていて、注意された直後はしばらくちゃんするんですが、
数週間も経てばまたルールを守れなくなるんです。

営業成績がいいだけに、彼の上司もけっこう悩んでいました。

そういう会社のルールを守れない人って、
会社員としてはかなりマイナス評価を受けます。

周りの同僚からも“ダメな奴”ってレッテルを貼られるし。

で、そういう人を組織に置いておくのは、
会社が大きかったり組織がしっかりしていればいるほど、けっこうきついじゃないですか。

営業成績はいいので会社もその人をクビにはしなかったし、
給料も平社員としては最大限の額を支給されていましたが、
ルールを守れない以上、会社としてはそういう人を昇進させるわけにはいかない。

昇進するとたいていの場合管理する側に回るので、
自己管理すらできない人を管理する側には回せませんから。

その会社はポジションと給料が比例する仕組みだったので
(どこの会社でも基本はそうですが)、
その人は営業としては優秀なのに、昇給がある時点からパッタリと止まりました。

本人もそれがわかっていたので、しばらくはしっかりしようと頑張っていたんですが、
結局自分の欠点を克服する事ができず、次第にやる気をなくして、最終的に退職していきました。

こういう話を聞くと、多くの“まともな”社会人は、

「いくら仕事ができても、遅刻や欠勤があったらそりゃ評価されないよね。」

という結論を出すと思います。

僕もその理屈は理解できます。

だけど市場価値という面で見れば、その人は誰より価値が高かったのです。

本来ビジネスって、時間通りに会社に来る事でも、
上司へのホウレンソウをしっかりする事でもなく、
人に価値を提供する行為です。

だったら、そういう人を受け入れる土壌が企業にあってもいいんじゃないかなと思います。

サヴァン症候群じゃないですが、そういう一芸に秀でた人って、
やっぱりどっか欠損していて、周りと同じ行動ができない事もあると思います。

そうやって“異常な”人を排除して“まともな”人ばかり集めても、
突き抜けた成果は出せないんじゃないでしょうか。

非常にもったいないと思います。

だって会社の売上には大きく貢献していたんだから。

でも結果的に、その人は個人でネットビジネスを始めて、
今では会社員時代の数倍稼いでいます。

もしその人が会社員時代に頑張って、自分の苦手を全力で克服していたら、
今の彼の成果はありません。

自分の短所が発露するのを必死に抑えながら、
そこそこの給料をもらうだけの普通の会社員だったと思います。

社会や組織から強制される価値観に合わせ、自分という人間を押し曲げていると、
本来受ける事のできる市場からの評価を逸する事もあります。

何より自分が苦しいです。

苦手を克服して人並みになるより、
自分の得意分野を目いっぱい伸ばす方が何倍も成功と幸せには近づく事になります。

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